
上用粉(上新粉)をさらに細かく、小麦粉程度まで粉砕した米の粉(うるち米)が最近市場に出回るようになり、一般的に米粉と呼ばれています。質の良い米粉を作るためには製造過程で米に熱がかからない方がよく、言わば粉砕熱との闘いでもあります。お米は粉になってしまいますとどれも同じに見えてしまいますが、実は機械や挽き方によっても味や食感が変わるということで、胴搗き式粉砕、気流式粉砕、ロール式粉砕など多種にわたる粉砕方法が製粉メーカーでは使われています。
粉になっても米のバランスに優れた栄養成分はほとんど変わりなく、むしろ使いやすく、当たり前である主食以外の料理への応用が広がります。小麦粉の代用としての利用が主ですが、小麦粉にはない食感が積極的に評価され始め、当初は小麦アレルギーの方々の間で使われていましたが今日では一般の人にも浸透しつつあります。価格はまだ小麦粉にくらべ高めですが、ご飯の粒では代用することのできないものが、粉だからこそ利用できるというのが『米粉』の利点であり特徴です。
私と米の粉の出会いは、祖母の作るお団子だったと記憶しています。その後深く関わり合うきっかけとなったのが娘のアレルギーでした。一人目がいわゆる健康優良児だったので、次に生まれた娘が小麦アレルギーと知った時は正直ショックでした。
なぜならば、小麦といえば、パン・麺類・シチュー・つなぎや衣・ケーキ・クッキーなど主食となるものから副菜や子供の大好きなおやつなど日々の食生活で口にするものばかりで、何よりも私の好きな物ばかりだったからです。幸いにも主が小麦だけだったので、除去はそれほど面倒ではありませんでしたが、日常の食事の中であまりにも多くのものに含まれている事に改めて驚きました。

そんな自分の経験や情報が、同じような苦労をされている方達に、少しでもお役に立てればという思いが、米粉レシピに取り組むきっかけとなりました。これまで一般的には和菓子の素材であった米の粉が、小麦粉の代用になることで小麦アレルギーの方に利用できる他、私達の普段の料理にも簡単に利用できます。しかも粒子が小麦粉と同じくらい細かい米粉(こめこ)が開発されたことで、今まで以上に様々な料理に利用可能となりました。 いろいろと進めて行く中で、行政を始めとする米粉に関わる方々や企業、様々な取り組みや活動の存在を知りました。将来の食について懸念する声もありますし私もその一人です。しかし、関係者の真剣な取り組みを考えると、まだまだ諦めることはないのではと思いました。 米粉は予想以上に用途が多く、しかもおいしい。一度実感していただきたいと思います。今後、全国どこでも米粉が購入でき、普段からキッチンに常備してあるような、そんな身近な食材になればと思います。何といっても私達日本人にはなじみの深いお米なんですから。

書籍の出版の事もあり、米粉レシピの開発を進めて行くうちに、米粉の調理法の違いで大きく変わる食感がおもしろく、しかも料理やお菓子の中には小麦粉で作りよりもおいしく出来上がるものがあり小麦アレルギーでない一般の方々にも十分受け入れられるものと確信してきました。ですが、まだまだ米粉は近くのスーパーで手に入るほど普及していません。そこでまず食べていただくのが早いと考え、「米粉スイーツ」商品化への道を歩むことになったのです。全く知らない業界でしたが、多くの方に出会い、周りの方々に助けていただきながらレシピも試行錯誤の末、2007年5月に「リソファリーナ」という米粉スイーツのブランドを立ち上げました。米粉と大豆製品をベースに和食のよさをスイーツに取り入れたからだにやさしいお菓子です。今後もこれまでのような料理教室の開催と新たにリソファリーナの商品を通して米粉の普及にお役に立てればと思っています。